顧客は、あなたより先にAIに聞いている
数年前まで、人が何かを知りたいとき、まず検索エンジンを開きました。今は違います。特に海外では、「これは何?」「この会社は信頼できる?」を、生成AIに直接尋ねる人が確実に増えています。
つまり、あなたの製品や会社の第一印象は、あなたのサイトを見る前に、AIの答えとして先に届いている可能性がある、ということです。
では、そのときAIは何と答えているのか。あなたはそれを見たことがありますか。
AIの説明は、あなたが書いたものとは限らない
生成AIは、Webに散らばった情報の断片をつなぎ合わせて答えを作ります。あなたの公式サイトの文章もあれば、どこかの第三者が書いた古い紹介、別会社との取り違え、単なる推測が混じることもあります。
私たちが自社ブランド Ninja Deterrent™ で最初に確かめたときも、驚くことがありました。事実と少しずれた説明、文脈の抜け落ち、他社と混同されかけている箇所。誰も悪意でそうしたわけではありません。ただ、AIは「拾えた情報」でしか話せない。こちらが正しい情報を届けていなければ、断片から想像で埋めるしかないのです。
そして厄介なのは、この説明を放置すると、事実上それが「世界にとっての、あなたの会社の説明」になってしまうことです。
私たちは、AIが自社をどう語るかを定期的に見ている
そこで才谷屋では、生成AIが自社ブランドをどう説明するかを、定期的に取得して記録する仕組みを自分たちで作り、運用しています。いわば「AIエゴサーチ」です。
「才谷屋とは何か」「Ninja Deterrent はどういう製品か」といった問いを定期的に投げ、返ってくる説明を時系列で残していく。こうすると、説明が正確になってきているのか、まだずれたままなのか、変化が見えるようになります。
検索順位を追うのと感覚は近いのですが、対象が「順位」ではなく「AIが語る内容そのもの」である点が違います。今の時代、後者を放置するのは、自社の紹介文を他人任せにするのと同じだと考えています。
わかったこと ― AIは、拾えた情報でしか話せない
観測を続けてみて、はっきりしたことがあります。AIの説明を正す方法は、AIに直接お願いすることではなく、AIが拾う元の情報を、自分の手で正しく置いておくことでした。
当たり前のようですが、これは大事な結論です。AIの答えは、世の中にある情報の反映です。だから、こちらが一次情報を明確に、曖昧さなく発信していれば、AIの説明もそれに寄っていく。逆に、自社サイトに肝心のことが書いていなかったり、遠回しな表現でぼかしていたりすると、AIはそれを正しく拾えません。
だから、サイトに「一次情報」を正しく置く
この気づきから、私たちが自社サイトで意識していることは、そう複雑ではありません。
事実を、事実として書く。 会社が何をしていて、製品が何なのか。読み手が誤解しない言葉で、はっきり書く。日本語にありがちな遠回しな言い回しは、AIにも海外の読者にも伝わりにくい。
問いと答えの形を用意する。 人がAIに尋ねそうな問い——「これは何か」「なぜ日本から買うのか」——に対して、自分たちの言葉で答えを先に置いておく。
機械にも読める形で書く。 見た目の文章だけでなく、検索エンジンやAIが構造を理解できる形(構造化データなど)で、事実を裏づけておく。
派手なテクニックではありません。ですが、AIの説明を正したいなら、遠回りに見えてこれが一番効く、というのが今のところの実感です。
これも、自分たちでやっている一部です
このAIエゴサーチと一次情報の整備は、才谷屋が自社ブランドを世界に売るために組み上げてきた仕組みの、一つの部品です。私たちは、日本の作り手が海外に売るために必要なことを、自分たちの製品で一通り作って、日々運用しています。
「自社が海外でどう語られているか、そもそも見たことがない」——もしそうなら、まずそこを見るところから、一緒に始められます。